
雷が窓を吹き飛ばした?
そんな状況でも冷静にジョークを飛ばす機長がいました。
SNSで話題になった「デルタ454便」の無線交信が、笑いとプロ魂に満ちていました。
デルタ454便の無線から始まった
夜明け前の空を進むデルタ航空454便。
いつものように着陸進入の指示が飛ぶ。
管制官
「デルタ454、おはようございます。
高度2000を維持、ローカライザーに乗ったら報告を」
✈️ 参考(出典抜粋):Facebook@Aviationmp4
しかし、返ってきた声はどこかおかしい。
背後で“ゴォォォォ……”という、明らかに“何か吹き込んでいる”音。
DL454
「おはようございます、デルタ454、高度2000維持……(ゴォォォ)……ローカライザーに入りました」
管制官が不思議そうに尋ねる。
管制官
「デルタ454、今の“ウーッシング”って言いました?」
機長は軽く笑って答える。
DL454
「いえ、それは風の音です。ちょっとした….”自発的な構造改修”がありましてね。
雷が、ものすごく的確に、私の窓だけを狙ったんですよ。」
「窓が窓じゃない」――新しい“エアインテークシステム”誕生
この時点で管制官の声のトーンが一段下がる。
管制官
「確認します。落雷と機体損傷、ということでよろしいですか?」
機長は、動じる気配もなく続けた。
DL454
「その通りです。損傷というより……私の窓がもはや窓ではなくなりましてね。
“超高級・超高速・直通エアインテーク”に進化しました。
副操縦士は顔に半ガロンほどの溶けた雹をかぶって、目を閉じたままチェックリストを読んでます。」
…想像してみてください!
風が吹き込むコックピット、副操縦士は雹まみれ、それでも淡々と冷静にジョークを飛ばす機長を。
「緊急事態? いえ、ちょっと風通しが良いだけです」
管制塔はさすがに慎重になっていきます。
管制官
「必要なら緊急事態を宣言してください。すぐに誘導経路を――」
しかし、返ってきた答えは拍子抜けするほど明るいという・・。
DL454
「いえ、緊急事態ではありません。飛行は問題なしです。ちょっとだけ風通しが良すぎるだけで。
ゲートC3と整備班をお願いしたいですね。
あと、デルタ運航部に頼んで、新しい制服をデイブ用に1着、ダクトテープ1巻、それから良いヘアブラシを。
私のネクタイが、今、天井に張り付いてまして。」
管制官のため息が聞こえた気がしますね。
管制官
「了解、デルタ454。滑走路27へ直進進入。
緊急対応班を念のため待機させます。」
DL454
「ありがとうございます。助かります。
……っと、ペンを落としたようです。たぶん今ごろジョージア州あたりでしょう。」
そして伝説へ
実は、この交信記録は、実際の事故ではなく、SNS上で拡散された「ユーモア交信」として知られています。
しかし、そのリアルな口調と絶妙なジョークセンスが、航空ファンの間で一気に話題に。
まるで本当にやり取りされたかのような臨場感。
そして、どんなトラブルの中でも笑いを忘れないパイロットと管制官のプロフェッショナル魂。
・・まぁ、本当にあってもおかしくないくらいアメリカのパイロットって、それくらい余裕がありそうです。
モデルとなった事故
実際の事故ではないと、上記で述べましたが、
2024年4月28日
エンデーバーエアー運行のデルタコネクションDL5589便、ダラスフォートワース発アトランタ行きで、実際に発生した事故が元となっているようです。

現地報道より
離陸直後に落雷に遭い、コックピットのウィンドシールドが損傷、炭化したような状態になったようです。
実際は、乗員は緊急事態を宣言し、安全にダラスフォートワースに引き返したそうで、乗客・乗員にけがはありませんでした。